2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

植芝理一の漫画が好きだった

私は90年代のサブカルチャーをリアルタイムで体験していないのだが、うっすらと、マジンガーZやゲッターロボ、それに特撮ヒーローといった70年代文化の再評価が行われていたことを記憶している。 今思えばなぜ快傑ズバットのパロディをすることをセンスがよ…

岸田劉生のヤバさをもっと知るべき

いつだったか、日本人の画家で、マチエールというものを本当に理解しているのは、歴史上で高橋由一、岸田劉生、佐伯祐三の三人しかいない、ということを聞いたことがあった。その岸田劉生を今日久々に見て、そのヤバさにうーんとうなってしまったのである。…

理由のない暴力への嫌悪

昨日、森見登美彦の短編集「きつねのはなし」の表題作を読んでいたのだが、理由のない暴力が描かれていて、頭が押しつぶされそうな感じがした。 私はもともと、理由のない暴力が苦手である。 ただただ私利のために、また自身が上に立とうとするがために、他…

遠藤周作 「侍」

沈黙、深い河を以前読んだが、三冊目に読む遠藤周作の小説である。 沈黙に続く長編、旅の物語である。 筋は、徳川幕府初期、キリシタン禁制が完全なものとなる直前に、メキシコ、イスパニアを経てローマへ渡り、そして帰ってきた日本人と、スペイン人宣教師…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹の、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年を読んだ。 きっかけは、私自身が鉄道の音を聞くとなぜか落ち着くという、あまり認めたくないものを持っていることに気づいたことだった。 それで、刊行時の評によれば主人公が鉄道マニアという本作を…

ノルウェイの森という大学ファンタジー

村上春樹の代表作として、ノルウェイの森を挙げる人は多いだろう。 だが同時に、これが代表作であることを認めない人間も多い。 よく言われるのは、村上春樹作品でノルウェイの森を初めて読むと、村上春樹自体を嫌いになることが多いということだ。 また、村…

子供の頃に好きだったヒーローから、大人になってからの嗜好が予想できるかもしれない

子供は格好良いものが好きだ。 ただ、好きになるヒーローは子供によって違う。 ある番組を好きな子供が、後番組にはそっぽをむくことは当たり前にある。 その理由には、ヒーローのデザインが大きく関わっていると思うのだ。 昨今の俗流文化論に乗っかって論…