2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

知識と知恵

ありがちなことだが生きることに行き詰まっている。 そのことについて今日思ったのは、知識と知恵の違いについてのことだ。 自身は知識偏重の人間だっただろう。 外部に開かれた人間性である知恵が相対的に不足していたことで、私自身を安定させることができ…

堀田善衛 『インドで考えたこと』 ――日本人の50年

『インドで考えたこと』のハイライトは、やはり、ペルシャ語を文化を源流に持つ国の人々が、口々に詩を詠むシーンだろう。文学者たちが詩を詠み競うのだが、同じ「アジア人」であるはずの著者は輪に入ることができないのだ。 堀田善衛 『インドで考えたこと…

戦後庶民のよりどころ 強さと弱さ

戦後、日本の貧困層の思想の受け皿、よりどころ、共同体となったのは、共産党と某新興宗教だという。 なるほど、街頭のポスターの数を見れば納得のできることだと思う。 さてこの二つの団体は、支持層が似通っているのに背後にある思想の面で、真っ向から対…

島田清次郎 『地上 地に潜むもの』 感想

風野春樹 『島田清次郎』の刊行がきっかけで、杉森久英 『天才と狂人の間』を読んでから二週間。 これを機に、島清の代表作である『地上 第一部 地に潜むもの』を読むことにした。 若くして精神病院で夭折した彼の作品は、既にパブリックドメインになってい…

杉森久英 「天才と狂人の間 島田清次郎の生涯」再読

杉森久英「天才と狂人の間 島田清次郎の生涯」。 天才と狂人の間―島田清次郎の生涯 (河出文庫) 作者: 杉森久英 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1994/02 メディア: 文庫 購入: 1人 この商品を含むブログ (6件) を見る 本作は1962年の直木賞を受賞した…

自己を客観視するための宗教

自分は典型的日本人ではない。そういう自意識で生きている。 それでも、生まれたときから東京近郊にずっと住み続けるくらいには日本人がうっすら共有する自意識に支配されているわけで、宗教についての考えについて、なんとなく流されていたのだった。 なく…