10代の頃に見た映画
10年ほど前の話。
私の通っていた高校では、昼休みや放課後に図書室で映画を視聴することができた。DVDの出始めの頃だったために、ソフトのほとんどはLDだったが、それなりに古典的名作を見ることができたと思う。
古典を踏まえたうえでこそ、その後の作品を語ることができる。そういう考えが今でも私のベースにあると思う。
10代の頃には既にそうだったので面白みのあるチョイスはないが、いくつかを挙げてみる。
重ねて言うが、面白いチョイスは一つもない。
* * *
1.『2001年宇宙の旅』
いきなりのド定番である。
岡田斗司夫のオタク学入門Web版あたりの豆知識を確認しつつ見た記憶がある。
キューブリックは他に、時計じかけのオレンジ、フルメタルジャケット、博士の異常な愛情も見た記憶がある。
(これくらいの大御所は見なければならないと思っていたのた。次の項も同じ)
しかし今でも、衒学的な意味でとても大好きである。
大好きと言うか、古典中の古典なのだけど。
2.『七人の侍』
これまた、踏まえておかなければと考え、勉強のつもりで見た。
しかしいまひとつ筋を理解できていなかった。
そもそも登場人物を途中で混同したりしていたのだ。
黒澤明は当時、羅生門と用心棒は見た。しかしその後黒澤映画を見る機会はないまま現在に至る。
同じ古典でも、こちらはよく分からなかった。おそらく今見ると違う感想を抱けるのだろう。
3.『王立宇宙軍』
高校の視聴覚ブースにはいくつかアニメ作品も所蔵されていた。
1stガンダム劇場版やマクロス愛・おぼえていますかなどを見たあとに、ガイナックス関係の予備知識があまりないまま見たのが王立だった。
なんだかすごいという感想。
緻密な映像がとても好きだった。
完璧に作りこまれた、フィクションなのにあり得そうな世界。
現実の引き写しなのに重ならないのには感服。
高校時代にレンタルでトップをねらえ!を、NHK教育の再放送でナディアを見た。
(ナディアの再放送では、中越地震の影響で放送が中止されたりもした)
しかし、実はエヴァは途中までしか見ていない。
略すときに「オネアミス」ではなく「王立」と呼ぶのが今でもこだわりである。
王立宇宙軍 オネアミスの翼 [Royal Space Force?The Wings of Honneamise] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: Blu-ray
- 購入: 2人 クリック: 139回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
4.『アマデウス』
これは視聴覚ブースではなく、音楽の授業で見た。
実際、良く分かっていなかったが、(非常にありがちすぎる感想だが)自分はサリエリだと思う。
5.『アパートの鍵貸します』
なぜこれを見たのかよく分からない。
本当に、よくわからない。
たぶん、どこかでタイトルを聞いたことがあったのだろう。
内容もよく覚えていない。家を連れ込み宿代わりに貸す話だった気がする。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
6.『大脱走』
予備知識としてスティーブ・マックイーンがバイクで大ジャンプを決めるということを聞いていたので期待していたら、思ったよりもショボかったのでがっかりした記憶がある。
7.『AKIRA』
母親が80年代に文化系の人間で、大友克洋の洗礼を受けていた。
そのために小さい頃から、AKIRAの衝撃はすごかった、AKIRAの衝撃はすごかったと、タイトルだけは聞いて育っていた。
実際に見たのは高校生になってからだったが、確かに凄かった。
海外のアニメファンのようなことを言うと、日本アニメのオールタイムベスト1に挙げてもよいだろう。
ただし同時期に原作も読んだため、やはり話の筋としては原作に軍配を上げざるを得ない。
8.『未来世紀ブラジル』
これはレンタル落ちのVHSで見た。
話の筋そのものよりも、これまた映像と、大道具小道具の数々に目を奪われた。
10代の頃はそういう感想だったが、しかし、現在の目で作中世界を眺めると、絶対に生まれたくない場所である。
ブラウン管テレビを分解して、作中に登場するディスプレイを作りたくなった。
* * *
書き出していて思ったのは、SF方面に偏りがあるということだ。
それは当然で、SFの古典的名作ばかり読んでいた時期があったのだ。
ハインラインやディックから入り、最近の作家だと、一時期はコニー・ウィリスがとても好きだった気がする。
(その流れで『ボートの三人男』をよくわからないのに読んだりもした)
つまり、そういうものが自分自身のルーツなのだろう。