消費者としてのはてな村民
はてなブックマークを追うようになったのはいつなのか思い出してみると、2007年のことだったと思う。
古参ぶる気はさらさらないし、そもそも2007年はすでにはてなブックマークがもっとも熱かった時期をとうにすぎていたはずだ。
なぜはてブを見るようになったか
はてブを見るようになったきっかけ。
それは、当時すでにはてな村の村長と言われていた有村悠氏(id:y_arim)が要因なのだった。
現在では艦これ同人誌で同人作家として一家を成している有村氏だが、当時は東大中退のアニメ評論ブロガー(当時ブロガーという言葉はなかったが)として有名な存在だった。
自分は、そんな有村氏に憧れに近い感情を持っていたのだ。
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なんで憧れに近い感情を抱いたかというと
1.大学中退でライターとかかっこいい
2.自分自身、時代錯誤に70〜80年代アニメを追うのが趣味だったオタクだったから
3.衒学的であることの格好良さ
といったところである。
ようは、手が届きそうなアイドルだと思ったのだろう。
(しかし後から考えてみると、東大在学中に既にイラストレーターの仕事をしていた有村悠氏は、そんな安っぽいレベルの人ではなく、だからこそ今、同人で食えているのだ。ヲチされるということは、ヲチされるだけの人間的価値がある人だからなのだ)
ようは、自分がいわゆるワナビーに近い存在だったからなのだが。
はてブをなぜいつも見るようになったのか
それで、最新のネット動向を見るための場所として、はてブを見るようになったのだ。
見るようになってすぐに、「ここにはネットの最新動向がなんでもある、すげえ」という状態になった。
(ちなみにそれまでは、ニュースサイトの『かーずSP』を主な情報源としていたのだった)
正直なところ、情報を消費するばかりである。
ネット上にはいろいろな事件があっただろう。
しかし、それらの話題をすべて消費するだけで、基本的に、テレビをつけっぱなしにする代わりに、はてブを見るようになっただけの話なのである。
そして、2009年くらいからはTwitterも普及し始めたので、はてブをTwitter、少し遅れてFacebookを見るようになって、その3つがPCやスマホの画面上で無限ループしている生活が現在まで続いているのだった。
かつてのはてブで覚えていることとは?
はっきり言って、覚えていない。
しいて言えば、ハックルさんこと岩崎夏海(id:aureliano)がまだ本名を出していなかった頃、この人は天才だ、と思っていたりもしたが、顔と名前が出て、広告代理店や秋元康と関係があると分かった瞬間、受け入れられずになかったことにした。
(なぜ自分がこんなに広告代理店やリクルートを憎悪するのかわからない。別に、自分に直接不利益を与えているわけではないのに)
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/
ようするに、はてなのidがアウレリャーノだというだけで、「おお〜!!百年の孤独じゃん!!センスある!!意識高い!!すげぇ〜」となっていただけの話である。
あと、ブコメを閉じる前のちきりんは好きだったが、ブコメを閉じたので敵認定して読まなくなったのだった。
つまり、それくらいのものである。
有名人しか覚えていないのだ。
なぜ、消費者で終わったか?
このように、時代の最先端の情報が流れてくる場として、10年近く前にはてなブックマークを見るようになったのだった。
しかし、単に見るだけだった。
もしも、そういう時代の流れに乗って、欠かさず読んでいるはずの、そのときそのときのゴシップや話題についてコメントを残していたらどうなった?
考えたことをまとめていたらどうなったのだろうか?
もしかすると、ほんとうにもしかするとレベルの話であるが、本の1冊や2冊出せたかもしれない。
それでなくても例えば「青二才」氏くらいのポジションで叩かれる存在にもなったかもしれない。
では、どうしてそんなことをしなかったかというと、物事を冷笑する態度が染み付いていたからに違いない。
ネットに触れ始めたのは、2chの閉鎖騒動以前の10代半ば。
それくらいの時代から、物事をすべて斜に構えて見る態度ばかりを身につけてしまった。
だから、「話題に安易に乗らない自分は格好いい」という態度になってしまったのだ。
嫌儲である自分
また、もう1つ。
今でも自分は、はてブでスパムっぽい投稿があると、指摘するようなブコメを残すことがある。
それくらい、嫌儲であることが染み付いてしまった。
だが、そこで割りきって、思想信条は脇に置いて、例えば早い時期からアフィリエイトを始めていたらどうなったか。
もしかすると、それなりに生活が楽になったのではないか?
そういうことをしないのも、格好をつけていたからなのだ。
人生は泥臭いもののはずなのに、自分がそういう、金儲けをするのは汚いと思っていたからなのだった。
消費者である理由とは
自分が消費者である理由。
消費者でしかなかった理由。
それは、インテリ崩れなおかしな美意識をどこかで身につけてしまったからなのだった。
こういうことはしてはいけない。
こういうことは格好よくない、美しくない。
そういうことばかりを、ブレーキばかりを自分に対してかけていて、いつしかそのブレーキが本当に身体に刻み込まれてしまったのだった。
失敗をすることが怖い。
誰かに叱られることが怖い。
それを続けていたら消費者になってしまったのだった。
で、なぜそうなったのかということは未だに不明なのだが、なぜなのだろうか?
それよりも今、自分が始めるべきなのは、消費者を抜けだして自分で何かを作ることなのである。
インターネットに、はてブに、Twitterに飼いならされないで、何かを作り始めることなのである。
(読み返してみるとポエムそのものでとてもつらい)