阿部共美 『ちーちゃんはちょっと足りない』 【発達障害・知的障害漫画】

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阿部共美の『ちーちゃんはちょっと足りない』は、貧しさとその原因、そして貧しく暮らしている人について、一見して暗いわけではないが、リアリティあふれる描写をしている漫画だった。

 

発達障害知的障害をリアリティを持って知りたいひとには、ぜひおすすめしたい作品の1つかもしれない。

 

自分はそんなに漫画読みではないので、普段新しい漫画を読むというのは、他人から薦められたり、他人の家にある漫画を読むことばかりが多い。

 

そして本作も、なんとなく手に取ったわけなのだが、これが、まったく救いのない話で凄かった。

一見してオタクっぽい絵柄の延長上にある、ただの日常を描いた漫画家と思ったら、凄かった。

 

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スティーブ・ジョブズ(上)

スティーブ・ジョブズが死んでこの本が出て、もう5年も経つのだということが、まず驚きだった。

 

いままでテルマエロマエの作者の漫画版をちょっとしか読んだことがなかったのだが、いまさら上巻だけ読んでみた。

 

歯車の噛み合わせが致命的に良くて、世界を変えた人になったのだなー、と思った。

同じような人格破綻者は世界にたくさんいるが、なぜ世界を作った人になれたのかというと、自己を貫くことができたからなのだろう。

自分にがんじがらめになって潰れることなく。

 

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「病人なのだから憐れまれて当然」 誤解のキリスト教

「病人には憐れまれる権利がある」という心理に陥ってはいないか。

 

つまり、それは自己憐憫そのものである。

自分を可哀想だと思うことである。

 

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別冊宝島「いまどきの神サマ」なぜ80年代、新興宗教だったのか

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古本屋で、別冊宝島の「いまどきの神サマ」というのを買って読んだ。

1990年に出たこのムックは、1980年代のオカルトや新興宗教、精神世界を振り返り、同時代について記録した一冊である。

冒頭に取り上げられているのは、かのオウム真理教
しかも好意的に取り上げている。

そのオウム真理教についての取り上げられ方を見て、なぜ80年代の若者が、伝統宗教ではなく新興宗教を求めたのか、時代の雰囲気がわかった気がした。

 

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