エアコンを40台くらい清掃した経験に基づく名機ランキング
仕事でひたすらエアコンを分解して内部を洗浄するという機会があった。
洗浄機で中を液体で洗うのだが、メーカーや製造年代により、メンテナンス性に大きな差があった。
そこで、独断と偏見に基づいてエアコンの名機ランキングを作ってみようと思う。
ただし前提として、専門業者ではない人間による作業で、基盤を外さずに養生して行う簡易清掃なのであしからず。
- 1位 Panasonic 2013・2014年型
- 2位 Panasonic 2010・2011年型
- 3位 Panasonic 2009年型
- 4位 2000年代中盤の日立
- 5位 ダイキン 2008年型
- 6位 Panasonic 2015年型
- 7位 三菱 2011年型
- 8位 Panasonic 2017年型
- 9位 三菱 2017年型
- 10位 シャープ 2012年型
- 結論
1位 Panasonic 2013・2014年型
CS-223-CF
CS-224-CF
など
メンテナンスする側としては名機中の名機。
そもそもPanasonicは非常にメンテナンス性が高いのだが、2013・2014年のモデルはとくに完成度が高い。
外装カバーがプラスチックの一体成型のため、ネジ2本で外れる。
しかも、内部のローターの取り外しも非常に行いやすい。
さらに、それより前のモデルに比べて外装上部がホコリのたまりにくい造形で、かつプラスチックの梁の本数が少なくなっているため、外装パーツの掃除も行いやすい。
非常に巧みな設計で、名機中の名機である。
2015年の次モデルは外装パーツが分割になってしまった(射出成形にコストがかかったため?)のが惜しい。
2位 Panasonic 2010・2011年型
CS-220-CF
CS-221-CF
など
2013・2014年ほどではないがメンテナンスしやすい。
(今回、2012年モデルは触る機会がなかったので不明)
外装部品が一体成型で、ネジ2本で外れるのは同じ。
ただし、後継モデルに比べて上部にホコリがたまりやすく、プラスチックの造形も込み入っていて汚れを取りづらい。
上下風向フィンの軸がデルリンの別体パーツになっているのだが、後継モデルに比べてはめこみが緩く、初めて掃除するときはそのことを知らないと紛失しやすい。
ネジが固く内部のローターが外れにくい。
(今回、外さずに洗浄液を吹きかけてしまった)
3位 Panasonic 2009年型
CS-229TB
など
2010年モデルに比べると洗練されていないが、一体成型外装なので分解はしやすい。
風向フィンの構造が2010年以降とは異なり、取り外しに一工夫いる。
また、風向フィンの中央軸を本体側で受ける部分が折れやすい(一度折った)。
前板が無駄にパーツ分割されており、ホコリが溜まりやすい。
4位 2000年代中盤の日立
型番はあいまいだが、Panasonic同様に外装が一体で外れ、比較的清掃しやすい。
Panasonicが分解できる人なら、ある程度のところまでは問題なくバラせるだろう。
5位 ダイキン 2008年型
ダイキンのもっと古い型(2004)は下部外装パーツの外し方がわからなかったのだが、2008年型は外装が一体成型でPanasonicに準じて作業できた。
ただしドレンパンが外れなかったのでそのままスプレー洗浄した。
ダイキンに共通することだが、外装パーツを外すために3本以上ネジを緩める必要がありイケていない。
番外 ダイキン 2004年型
外装パーツは上下分割だが、上パーツは問題なく外れる。
下外装パーツの取り外し方がわからず、ドレンパンを取り付けたままスプレー洗浄を行った。
簡易洗浄でもどうにかなったので、印象は悪くない。
なまじ分解できないとあきらめもつく。
6位 Panasonic 2015年型
CS-225-CF
など
前モデルの2014年型が名機だったにもかかわらず、2015年モデルでは整備性が大幅に低下してしまった。
外装部品が大きく上下に分割され、それぞれネジ2本留めに。
外装ネジが4本に増えてしまった。
しかも上部外装パーツはさらに細かく、はめ込みで分割されている。
設計としては後退である。
また、ドレンパンとドレンホースがネジ止めされるようになり、分解が面倒になった。
ドレンの水漏れ防止のためにはよいのかもしれないが、それ以前のモデルのように差し込むだけでも実用上問題なかったのではないか。
7位 三菱 2011年型
外装を外すときのネジ本数が多い。
また、三菱に共通するがドレンホースとドレンパンがネジ止めされており、外すのが面倒。
それでも、のちのモデルに比べれば風向フィン用モーターが右側にしかないため分解は素直。
ドレンパンを外す方法で迷わないだけマシか。
8位 Panasonic 2017年型
CS-227-CF
など
外装パーツがまったく別物になってしまった。
おおむね作業手順は同様だったのだが、外装パーツのはめ込みが固く取り外しづらい。
9位 三菱 2017年型
7位に書いた2011年型と基本的な設計は同じなのだが、風向フィンの構造が変わった。
なんと、ドレンパン前面の保温用発泡スチロール部品の裏側にコードを這わせて、基盤とは反対側に2つ目のフィン駆動用モーターを設けているのだ。
そのため、わざわざ発泡スチロール部品がネジで取り外し可能になっている。
なぜこんな設計をしたのか理解に苦しむ。
構造がわかればバラすことはできるが、手間がかかるので良い気持ちではない。
10位 シャープ 2012年型
理解不能だった機種。
そもそも外装部品の取り外し方が不明だった。
結局分割されたプラ部品がはめ込まれていただけなのだが、他社はパーツ分割するにしても上部・下部が一体で外れるのに対して、
シャープは左右・中央・上部などをそれぞれ外さなければならない。
ドレンパンの外し方は結局わからなかった。
宇宙人の作ったエアコンを触っている気分になった。
結論
エアコンを買うならPanasonic。
現行モデルも、筆者が分解になれていないだけで、きちんと手順を踏めばスムースにバラせるだろう。
また、のちのちのメンテナンスのことを考えるなら、自動清掃機能つきモデルは絶対に買ってはならない。