SNSとスマートフォンのない古きインターネットが帰ってきてほしい

2019年の冬アニメでいまさらブギーポップをやっていたので見てみたのだが、スマホが普通に登場していることが辛かった。

2000年前後の空気感とともにある作品だと思うので、それを現代に引っ張り込むことは、なんというか、世代感を奪われているような気持ちになる。

 

重なる話なのだが、最近プレステのlainのプレイ動画を見て、ふと、2000年前後のコンピューターやインターネットというのは、デスクトップPCとともにあったのだなあ、ということを思った。

 

2000年代中盤まで、ノートPCは価格対性能比が悪く、デスクトップPCを買うのが「わかっている」という風潮があったように思う。

パソコンを自分で組み立ててネットワークに接続するというのが、そしてそういうことをする限られた10代という存在が、いわば自意識の特権階級のようなものであったのではないか。

 

ケーブルが何本も飛び出たデスクトップPCに向かう12歳の岩倉玲音を見て、そういえば、自分がインターネットに没頭していたときはそんなんだったなあ、というのを思い出して切なくなった。

 

デスクトップPCをわざわざ買う必要がなくなったのと、mixiがきっかけでSNSが普及したのと、ネットブックが登場し外でネット配信というものができるようになったこと。

動画をストリーミングで見るのが当たり前になったこと。

2004〜2008年くらいにかけての変化で、デスクトップPCというハードルの文化は損なわれていって、スマートフォンで致命的に文化が変わった。

 

スティーブ・ジョブズは偉大な人だと言われているが、こんなふうに世界を変えてほしくなんてなかった。

 

2004年までのネット文化に触れることができた最後の世代だったことは自分にとってラッキーだったのかもしれないが、その流れのままにインターネットが発展しなかったことがとても悲しく思う。

 

ギークになれたチャンスがあったのに、プログラミング入門にことごとく失敗して、手打ちHTMLでのコミュニケーションと2chだけで満足してしまったことが敗北の原因なのかもしれない。

もう少し早く自我を持って、岩倉玲音のようになりたかった。