百円ローソンのプリン
私の人生は常に百円ローソンとともにあった。
いや、昔はショップ99だったりもしたのだが、100円で買える菓子パンは、小腹がすいたときの友である。
なぜ百円ローソンが素晴らしいか。
それは、メロンパンが一袋に2つ入っているからではない。
その本質はプリンにある。
確かにポテトチップスも美味しい。アイスクリームもよい。
だが、同じ金額で買ったとき、一番満足できるのがプリンなのだ。
ポテトチップスやアイスの粗暴な口当たりと違って、小さなカップに入ったプリンには文化的な薫りがする。まろやかなだけでなく癒してくれると言えるかもしれない。
けっして高いものではない。
普通のコンビニでプリンを買ったら、安くても税抜きで120円はするし、150円を越えてしまうのが普通だろう。
なのになぜ、百円ローソンのプリンがあんなに美味しいのか考えると、それは、安く切り詰めた、ともすればジャンクになってしまうギリギリのラインにあるからなのではないか。
百円ローソンのポテトチップスは他で見たことのないメーカーが作っている。おそらくプリンも、ローソンのメインラインとは異なる場所で製造しているのだろう。
だが、そうやって切り詰めたところからこそ、美味が生まれてしまうのだ。
シンプルであることが、一番の美味しさに直結することがある。
それが、期待するはずもない安価で売られているのならなおさらだ。
百円ローソンのプリンは、一日の終りにこれ以上ない癒やしを与えてくれる。
菓子をスイーツと呼ぶことが揶揄されるようになってどれくらい経っただろうか。
私自身、単なる菓子を横文字で呼ぶことには今でも抵抗があるし、これからも呼ぶことはないだろう。
だが、こうして百円ローソンのプリンについて考えることで、尊敬を込めて甘いものをスイーツと呼ぶような心情を、少しだけ理解できたのかもしれないと、そう感じてしまうのだった。
ということなのでこれから百円ローソンに行ってプリンを買ってこようと思う。