無印における最低限の仕上げ
身の回りの物にある程度興味を持つようになると、だいたいの日本人は無印に目を向けると思う。
私もその一人で、「とりあえず無印」というブランド消費をした後に一旦離れ、再び生活の道具として取り入れ始めた。
統一感や、部屋がうるさくならないということはもちろんだが、無印の商品の最大の魅力は、素材と加工の質が、最低限のレベルを満たしていることだと思う。
それは特に、プラスチック製品において顕著である。
写真は何の変哲もない洗面所用のコップだ。
確か7~8年前に購入して、たまに洗うだけで歯ブラシ立てとして使ってきた。
日光も当たるし常に水の汚れもつく場所で適当に置きっぱなしにしてきたが、いましがた掃除のついでに洗うと、全くプラスチックが劣化していないのだ。
プラスチックを普通に成型することは難しい。
コストダウンだけを考えれば多少のヒケやバリは放置すればよい。しかしそのような細かいこだわりが、無印のプラ製品と、百均の模倣品との間に一線を引くのだ。
もちろん、ある程度の値段の製品なら、それくらいの仕上げは当たり前にされている。
しかし無印が尊いのは、そういう真面目な仕上げが確実になされている、最も安価なブランドであるということなのだ。