Windows XPが登場したときの時代の空気についての昔話
なんとなく、書き残さないと忘れられてしまう空気感について書こうと思う。
2001年、Windows XPが登場したときの話である。
2001年、Windows XP登場
Windows XPといえば、2010年代に至るまで広く使われ、後継OSへの移行が遅れたことから問題にさえなったOSである。
あまりにも普及したため、Windows XPが初めてのパソコン用OSという人も多いのではないだろうか。
ゼロ年代のインターネットを支えたのは、間違いなくWindows XPだったといって間違いないだろう。
しかし、Windows XPは登場時は酷評されていた
そんなWindows XPだが、発表・発売した際には大きく酷評されていた。
その理由は2つ。
要求スペックと、アクティベーションである。
高い要求スペック
Windows XPは、それまでのWindows OSに比べ高いスペックが要求されていた。
とくに問題とされたのが、必須とされたCPUとメモリのスペックだった。
CPUは300Mhz以上を要求
Windows XPのCPUの要求スペックは、Celeron 300Mhz(メガヘルツ)以上だった。
いまとなっては低スペック過ぎて驚くかもしれないが、当時としては、それ以下のスペックのCPUを使用していたユーザーが多くいたことが問題を招いた。
そもそも、オーバークロックで有名になったCeleron 300Aが爆発的ヒットを飛ばしたのが1999年のこと。
(筆者がパソコンを初めて手に入れる前のことだが……)
Windows XPが登場するわずか2年前のことなのだ。
参考までに、XPのルーツであるWindows 2000の最低環境はPentium 133Mhz以上。
Windows 98はi486、Windows MEでさえPentium 150Mhz以上だった。
当時のユーザーからすれば、古いハードウェアの切り捨てと映ったのもしかたない。
メモリ128MB以上を要求
さらに問題となったのが、メモリが128MB以上必須となったことだった。
2001年の時点では、そもそも搭載メモリ64MB(GBではない)のPCも普通に家電量販店に並んでいた状況だったのだ。
参考までに、Windows 2000の要求メモリは32MB以上。
98は16MB以上で、MEは32MB以上でインストールが可能だった。
もちろんCPU、メモリとも快適な利用のためにはさらに高いスペックが必要だったものの、XPでは、Windows 2000やMEではインストールが可能だったスペックでも、インストール自体ができなくなってしまったことに反発が生まれたのだった。
ただし、2001年の12月頃にはメモリ価格がそれまでになく下落。
128MBのSDRAMがバルクなら1000円以下で購入できるようになったので、実際には大きく影響しなかったかもしれない。
参考:以下では1000円台前半となっている
CPU、HDD、メモリ相場情報(秋葉原 '01/12 第1週)
ちなみに、ゼロ年代前半に「ふたばちゃんねる」で流行したOS娘では、Windows XPを擬人化したキャラクターは胸が大きい外観で、大食らいと設定されている。
これは、大量のメモリを消費するWindows XPを揶揄したものである。
アクティベーションの導入
現在は当然となっている、インストール時のアクティベーション。
これもWindows XPで導入され、反発を招いた。
そもそも、それ以前のOSはCD-ROMとシリアルさえあれば、現実問題として何台のPCにもインストールすることができてしまっていた。
ライセンス的には当然アウトだが、それが普通だったのが当時の時代の空気だったのだ。
参考までに筆者の最初のPCは
Celeron 733Mhz、メモリ64MBのIBM Aptivaだった。
これは家族共用で、初めての自分用PCは自作機。
Duron 700Mhz、メモリ128MBだった。
時代の空気について書きました
このように、Windows XPから入ったユーザにとっては馴染み深いOSも、登場時には酷評されていた。
逆にいえば、このような設計をしていたからこそ、2010年前後まで現役で通用してしまい、乗り換えを遅らせたのかもしれない。
筆者の当時の肌感がなにかの参考になれば幸いです。