禁断の、写真レンズ酸化セリウム研磨(キイロビン)Canon 50mm F1.8

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中古カメラというかジャンクカメラが好きな人がやりがちな、例の禁断のレストアをやってしまいました。

 

酸化セリウム研磨。

ガラスの研磨に使われる酸化セリウムという研磨剤を使って、曇ったレンズを磨いてしまおう、というわけです。

 

結果としては、成功ともいえるし失敗ともいえます。

 

 

 

写真レンズの酸化セリウム研磨

 

 

酸化セリウムでジャンクレンズを磨いてみました。

 

 

酸化セリウムとは

 

 

酸化セリウムとは、研磨剤のことです。

 

特徴は、化学変化によりガラスの表面を「溶かしながら」研磨する作用があるということ。

光学レンズの研磨に一般的に使われる酸化物、ということです。

 

詳しくはWikipediaなどを見てください。

 

酸化セリウム(IV) - Wikipedia

 

酸化セリウムの入手方法

 

 

酸化セリウムは、Amazonで粉末でも入手できるのですが、

今回は、車のガラス磨き用として以前から売られている「キイロビン」を使いました。

 

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キイロビンは昔からカメラレストア愛好家の間で存在が広く知られている製品。

車用の研磨剤には多くの製品がありますが、このキイロビンは、数少ない、主成分が酸化セリウムのものなのです。

 

昔から、車用の研磨剤を使うというのはカメラレストア界隈で行われてきたことでした。

レンズ研磨への誘惑

二眼レフ:禁断の酸化セリウム再研磨

 

今回の実験台

 

 

今回磨くのは、LマウントのCanon Lens 50mm F1.8 II型です。

 

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中玉が曇っているジャンクを2000円くらいで購入。

 

LマウントのCanon 50mm F1.8Lマウントレンズのなかでは最も希少価値が少ないもののひとつ。

 

個人的には、研磨もそうですが改造など、カメラやレンズを不可逆にいじることは好まないのですが、まあCanon50mm F1.8なら、そのへんに転がっている珍しくもなんともない不人気レンズだからいいだろう、と思ったのです。

 

(正直、Lマウントレンズでこの手の不可逆的なDIYを行うのが個人的に許せるのは、Canon50mm F1.8と、ロシアのインダスター61くらいだと思っています。安価なレンズでもジュピター8とかになると勿体なくてできません)

 

 

ちなみに

 

 

Canon50/1.8I型からIII型まであります。

I型は見た目が銀鏡筒のセレナーそのままなので一目瞭然なのですが、

II型とIII型のわかりやすい見分け方は、絞りリングの絞り値の前に線が入っているのがII型、ないのがIII型、というところのようです(Canon公式サイトの製品ミュージアムを見たところによる)。

 

 

 

今回の工具

 

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今回使った工具は以下の通り。

 

カニ目回し(中国製の安いものをAmazonで購入)

 

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リューター(これもAmazonで買った一番安いもの)

 

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フェルトパフのリュータービット(これもAmazonで安いもの)

 

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そしてキイロビンです。

 

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PROSTAFF [ プロスタッフ ] キイロビン200 933A41

PROSTAFF [ プロスタッフ ] キイロビン200 933A41

 

 



 

 

今回研磨するレンズの状態

 

 

今回研磨するCanon 50mm F1.8 II型の状態ですが、絞りの直後にある、レンズ後部の一番前の面がコーティング劣化して曇っていました。

 

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外観からだとわかりづらいので、順番が前後しますが分解後の写真を貼ると、以下の通りかなり曇っています。

 

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ちなみに今回の研磨前に一度開けて試しに拭いてみているのですが、拭く前はさらに盛大に曇っていました。

 

 

 

研磨前の試写

 

 

一旦バラして拭いたこともあり、実は現状でもそれなりに写っていたのでした。

 

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あまりシビアな試写はしていませんが、光源をレンズ内に入れても、まあそれなりです。

 

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Lマウント Canon 50mm F1.8を分解する

 

 

 

というわけで、磨くために分解します。

 

 

 

分解の方法

 

 

後ろ玉を外すだけなので、分解は相当簡単です。

 

 

カニ目回しをレンズ後部の一番外側のカニ目に当てて回します。

 

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すると、レンズエレメントとヘリコイドを固定する固定リングが外れます。

 

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あとは中身を抜くだけです。

(レンズエレメントにスペーサーが入っているので紛失しないようにしましょう)

 

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中身を抜いたら後ろ玉を分離しますが、後ろ玉を素手で掴んで普通に回すだけで外れます。

 

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これで分解完了です。

 

 

一応、気休め程度にマスキングしました。

(本当に気休めです)

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レンズを磨く

 

 

それではレンズを磨きます。

 

 

 

酸化セリウムをつけて磨く

 

 

特筆することはないのですが、リューターに円錐パフをつけて、キイロビンの中身の酸化セリウムを付けて、ひたすら磨きます。

 

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本当はダメなのですが、専門知識はないので、何も考えず適当に磨きます。

 

デスクライトを当てて、途中、どれくらいクモリが取れたか確認しながら磨いていきます。

 

15分くらい磨いたところ、それなりにきれいになりました。

 

磨き終わったら酸化セリウムを拭き取ります。

(水拭きしてしまいました)

 

 

 

磨いた結果

 

 

 

それでは、磨いた結果どうなったかというと。

 

 

 

室内での試写

 

 

 

室内で撮ってみたところ、とりあえず描写が破綻しているようなことはなさそう。

 

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一安心……かと思いきや。

 

レンズ表面を見ると、なんだかヤバそうです。

 

iPhoneで接写したのでわかりにくいかもしれませんが、レンズ表面が明らかに、滑らかではないのです。

うねうねと波打っています。

 

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明らかに素人仕事のせいです。

 

これは、やってしまったのでは……。

 

ちょっと、どんな描写になるのか恐ろしくなったので、外で試写してみました。

 

 

 

 

研磨したレンズの試写

 

 

とりあえず無難に花を取りました。

 

ボディは初代α7

 

 

開放 F1.8

 

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開放です。

なんというか、デロデロです。

 

これは終わった、と思ったのですが、試しにAi-S Nikkor 50mm F1.4の開放を撮り比べてみたところ、正直開放なんてこんなもんなんじゃないか疑惑が出てきたので、案外大丈夫なのでは、とも思えてきました。

 

↓比較用のAiニッコール

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F5.6

 

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F22

 

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絞ってみると、まあ、普通です。

 

 

光源を入れてみた

 

光源(太陽)をちょっと入れてみましたが、まあ、いいんじゃないか、という感じです。

 

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レンズ研磨の結論

 

 

結論としては、レンズ研磨、正直想像以上にヤバいです。

危険です。

 

他のブログやサイトでは正直おすすめできない最終手段と書いてありましたが、その理由がわかりました。

素人が酸化セリウムでレンズ研磨して、まともな研磨をするのは不可能です。

 

表面がウネウネになります。

 

Canon50mm F1.8やインダスター61みたいな安物なら研磨していいんじゃ?と思っていましたが、正直、その手のレンズだったとしてもあんまりやらないほうがいいのでは、と思ってしまったのでした。

 

 

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