無駄に写真について知らないで楽しめたらよかったのに

写真、好きでした。

 

モノクロ現像しました。

写真学校通いました。

フィルムカメラたくさん使いました。

 

しかし!

いまは全然全然やっていない!

なぜだ!

それは写真について知りすぎてしまったからだ!

 

 

森山大道が好きでした

 

そもそも写真を趣味として意識して始めたのは大学生のときだったのです。

 

まだギリギリフィルムカメラが現役だった時代。

まだギリギリコニカのフィルムがあった時代。

 

写真サークルに入って、一眼レフを買って、モノクロ現像を覚えて……

と、順調に写真の階段を上っていったわけですが。

 

そんなときに写真集というものを、アートの写真集というものを見てみようと思いたち、ありがちですが森山大道に出会ったわけです。

そりゃはまりますよね。

新宿。

文庫版の「新宿」、買いました。

 

 

新宿+

新宿+

 

 

 

そして、非常にありがちですが森山大道フォロワーのような、街頭スナップをモノクロで撮り始めるわけです。

四谷三丁目のギャラリーに足繁く通うわけです。

 

そう、ありがちなダイドゥーフォロワーのできあがりです。

 

ここで留まっておけば、PLACE Mで夜の写真学校に通ったりしておけば、幸せなカメラ人生を歩めたはずだったのですが……。

 

 

「写真史」に出会ってしまった

 

 

ところが。

大学には写真の授業というのがありました。

 

それもアート系の。

先生は木村伊兵衛賞を撮った、セクシャリティをテーマにした作品を作るひとでした。

そこで、アートっぽい写真という世界は、モノクロストリートスナップだけではないことに気づいてしまったのです。

 

さらに別の授業。

写真評論家の先生は、写真史というものを教えてくれたわけです。

 

おう。

中平卓馬

おう。

増山たづ子

おう。

東松照明

 

 

なぜ、植物図鑑か―中平卓馬映像論集 (ちくま学芸文庫)

なぜ、植物図鑑か―中平卓馬映像論集 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

いいですよね。

というわけで、わかりやすいストリートスナップ方面よりも、評論に値する、美術としてのバックグラウンドがある写真こそ至高、という方向に染まってしまったわけです。

 

クロスプロセスとかロモとかそういうものも、最初の頃は興味を持ったりしたわけですが、そういう通俗的写真趣味と一線を画すスノビズムの方面へ向かってしまったのです。

 

 

さらに現代アート文脈へ向かう

 

 

さて、そのあと自分はなにを間違ったか、某写真学校に入ったりしてしまったのです。

 

そこは完全に、アート文脈の写真の世界。

 

いや、同級生は現実を見て、ちゃんとスタジオとかカメラマンとかそういう方面の技術とか実学を学んでいたと思うのですが、自分は勘違いしきっていたので、モノクロででかい印画紙に焼き付けて、しかも郊外とかコンクリートとかそういうのを撮るのが至高という方向へ、さらに向かってしまったのです。

 

ルイス・ボルツ。

いいよね。

 

 

 

 

が。

そういう方面には金がかかります。

 

ギャラリーを1週間借りるのに20万円かかるのがアホらしいと思ってしまうくらいの情熱しかなかった自分は、「ああ、自分はアーティストではないのだな」ということに気がついて、急激に情熱をしぼませて、写真をやめてしまったのでした。

 

暗室用品もフィルムカメラも処分してしまったのでした。

 

それでも、写真についてのスノッブな好みはかわらずに。

鈴木清。

よい。

スティーブン・ショア。

よい。

柴田敏雄

よい。

エグルストン。

よい。

ロバート・フランク

よい。

 

 

The Americans

The Americans

 

 

 

そういう、写真を知っている人としてはありがちな好みかつ、一般的にはマニアック過ぎる好みになってしまったわけでした。

 

なぜこうなってしまったのか……。

森山大道フォロワーとなって新宿の街でキャンディッド・フォトをやっていれば人生楽だったのに……。

 

 

トイカメラを純粋に楽しみたいだけの人生だった

 

 

いま思えば、ロモグラフィーの製品を純粋に楽しめるような人間だったら、楽しいカメラライフを送れたわけです。

 

 

世界中のトイカメラファンの憧れ LC-A+

世界中のトイカメラファンの憧れ LC-A+

 

 

 

それが、なぜ遅れてきたカメラ毎日のような嗜好になってしまったのか。

そうならなければ、いまのように写真を全然やらない状態にはならなかっただろうに。

 

アンドレアス・グルスキーのような超大金持ちだったらアーティストになれたのに、などと思っても仕方がない。

 

そしてこうして写真家の名前をつらつらと挙げること自体、スノビズムの極みに過ぎないことを自覚しているわけです。

 

ああ、モノクロでストリートスナップをしたかっただけの人生!

絶対非演出の絶対スナップで満足すればよかったのだ!

 

 

筑豊のこどもたち

筑豊のこどもたち

 

 

 

いまはD3200に35mm単焦点をつけて幸せです。

 

 

 

ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)

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