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2015年2月三週 新宿〜四谷 写真展

少し前までは写真ギャラリーを頻繁に回っていたが、最近ご無沙汰だった。
久しぶりに新宿から四谷にかけて回ることができたので感想を書く。

新宿ニコンサロン

yuiga写真展 傾がずの原

藪写真というジャンルを耳にしたことがある。いわば流行のひとつである。
現代の若い写真家で、私性とは別の方向へ向かい、客観から作品を作るようになった者は、なぜか草の生い茂った藪に心を惹かれがちなのだ。
この写真展からも、藪っぽさをこれでもかも感じた。
被写体は古墳であり、そこに生えた木であり、水をたたえた堀である。
しかし、古墳という歴史性は後付けで、作家はまずはじめに、藪を見ていたのではないかと思うのだ。被写体としての興味が根本だ。
juna21という若手写真を紹介するシリーズだからこそ更に強く思う。

(C)東京 出会い頭の点動刹 オカダ・キサラ写真展

こちらもjuna21。
ニコンサロンで同時に開催されている上記の展示とはうってかわって、いわゆるキャンデイッド・フォトである。
フレーミングの上手さを強く感じた。
写真には何を見ているかが大きく反映されるが、それはまた、何を切り捨てたかでもある。
この作家は意図的に切り捨てることが非常に巧みである。
東京の風景を、スナップ的に一瞬で切り取っているが、その瞬間に、良い意味で面白みに満ち溢れた構図を作画している。
客観のようでありながらあたたかみのある作品だった。

コニカミノルタプラザ

美しい風景の中に暮らすこと 畠中悠子

和歌山県に移住した作家による、日々の暮らしと日差しを綴った写真展。
この日見た写真展でいちばん良かった。
山間の農村に暮らす人々、と一言で言うことは簡単なのだが、この作家の視線もまた、これ以上なく美しい。
適度な距離感はあるのだが、カメラが確実に内側にいるだろうことがわかる。
画面の色合いには多幸感があふれ、日差しが注いでいる。
叙情的に、田舎暮らしを美しく切り取った、力ある作家の個展だった。

Greenhouse 大塚広幸

グルスキー的なもの、現代美術としての文脈からの写真を強く感じた。
大型のビニールハウスを、大判カメラで垂直をきっちり出して撮る。
それをひたすら繰り返すパワー。
和製グルスキーと言っても過言ではない。

レソト日和 小澤太一

単に海外の写真展、ということでついでのつもりで見たのだが、はからずも映像の力というものを深く覚えてしまった。
異様なまでの高画質、巨大に引き伸ばしても全く破綻しない微細なプリントに、吸い込まれてしまいそうになった。こういうのもアリなのかもしれない。

Photographers' gallery

UNTITLED RECORDS Vol.4 北島敬三

久しぶりにPGに行ったら北島敬三だった。
実は北島敬三をよくわかっていない。
ただ、意思が介在しないように見せかけて意思を込めて撮るこのシリーズには、その土地にいた人間の意志を見出せるのは確かだ。
北という土地が深い意味を持つようになってしまって以降、氏の仕事はどんどん深みを増すのだろう。

蒼穹舎

EDGE OF SHADOWS マヌエル・ファン・ダイク

蒼穹舎で見た写真展としては出色のものだった。
夜を撮ることは多くの人がしていることだが、本展ではタイトルの通り、浮かび上がる光の色、エッジとしての光が主題なのだろう。
作家の見ているものが身に伝わる展示だった。



PLACE Mやトーテムも行ったのだが、感想はこの辺りまで。
来週以降も行くだろう。
個人的には、久しぶりにギャラリーニエプスの展示に行けそうなのが嬉しいところだ。