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百円ローソンのプリン

私の人生は常に百円ローソンとともにあった。 いや、昔はショップ99だったりもしたのだが、100円で買える菓子パンは、小腹がすいたときの友である。 なぜ百円ローソンが素晴らしいか。 それは、メロンパンが一袋に2つ入っているからではない。 その本質はプ…

「文豪」という言葉

文豪と言われて、誰を思い浮かべるだろうか? 私は、真っ先に森鴎外が浮かんだ。 トルストイ、ドストエフスキー。 スタンダールはちょっと違う気がする。 夏目漱石は、文豪と呼んでも問題無い気もするが、自分としてはその枕詞に多少違和感がある。 この、文…

AKIRA一気読み

うちの母は芸術家崩れだった。 70~80年代に青春を過ごしたその人は、まさに大友克洋の洗礼を受けた世代だった。 その子供である自分は、幼少の頃から、「AKIRAはすごい」「AKIRAには感銘を受けた」と言われて育った。 (もしかすると、それは映画版のことだ…

堀田善衞 「情熱の行方 スペインに在りて」

堀田善衞という名前は以前から知っていたが、その著作を読んだのは最近になってからで、その本は「インドで考えたこと」だった。 「インド~」ではアジアの中にある異質な存在である日本、極東の辺境である日本に気付くことができたが、同じ作者の著作で次に…

新宿眼科画廊と、主代奈津美写真展、久しぶりのギャラリー・ニエプス

また、新宿から四谷にかけてのギャラリーを回ってきた。 普段その界隈では写真自主ギャラリーしか行かないのだが、今日は新宿眼科画廊にも足を伸ばした。 新宿眼科画廊 新宿眼科画廊では四つの展示が開催されていた。 全体として、作家は描ける人であること…

銀座ニコン 古橋宏之 / 資生堂 飯島桃代

移動の合間、銀座で二つの展覧会を見てきた。銀座ニコンサロン水を呼ぶ 古橋宏之写真展多摩川にて撮影したという写真展。河川敷の藪を撮る。藪を撮るというのは意味付けが伴わないと空虚になりがちだが、ステートメントを読む限り作家の世界観にうまく落とし…

アドラー心理学 人はよいことしかしない

アドラーの名前は少し前に知ったのだが、概説書を読み、この思考方法は私の心理を落ち着ける手段になると感じたので、メモの意味も含めその一部について書く。アドラーの言ったのは「人はよいことしかしない」ということである。といっても、所謂「善」しか…

遠藤周作 「イエスの生涯」

キリスト教に触れるようになって、遠藤周作の著作をよく読むようになった。好きな作家の名前を問われたら、いまならば遠藤周作と村上春樹の二人を挙げることになるだろう、そのくらいに読んで味わっていると思える。文体もおそらくは、自分に合っているのだ…

2015年2月三週 新宿〜四谷 写真展

少し前までは写真ギャラリーを頻繁に回っていたが、最近ご無沙汰だった。久しぶりに新宿から四谷にかけて回ることができたので感想を書く。新宿ニコンサロンyuiga写真展 傾がずの原藪写真というジャンルを耳にしたことがある。いわば流行のひとつである。現…

山本譲司 「獄窓記」

ふと、本棚にあった本書を手に取ったら、二時間ほどで一気に読んでしまった。国会議員であった山本譲司の獄中記で、言わずと知れた本である。賞を取り、ドラマ化もされた。初めて読んだが、本書の影響で累犯障害者などの問題がそれなりに知られるようになっ…

ハウス加賀谷 「統合失調症がやってきた」

ボキャブラ天国で一世を風靡した、ハウス加賀谷の自伝である。お笑いにはあまり興味がなく、10台の頃に笑う犬も見ていなかったし、細かすぎて伝わらないモノマネをネットで知ったのもかなり遅い自分でも、当時彼が残した強烈な印象は覚えている。負の思考と…

小林紀晴 「写真学生」

少し前まで写真学生だった。結局いまはほとんど写真を撮らなくなってしまったのだが、写真が生活の中心だった時期が確かにあった。いまどきシャッター速度と絞りとピントを手作業で合わせ、暗室の赤いセーフライトの下で印画紙に焼き付けていた。ただ、その…

矢野健太郎 「数学物語」

中学生の頃まで、理系の道に進みたいと思っていた。具体的には工学部に進みたいと思っていて、自分は将来、技術者になるのだと考えていた。しかし高校に入った途端数学でつまづき、方針を変えて文学部に入ったのだった。だから自分は数学は高校の途中までし…

「冷静と情熱のあいだ」を読んだ

もしかすると、もっと早く、大学にいたころくらいに読むべき小説だったかもしれない、自分はこの恋愛小説を読むには年を取ってしまったのかもしれないが、辻仁成と江國香織の「冷静と情熱のあいだ」を読み終えた。大まかな筋は見聞きしていたのだが、実際に…

北杜夫 「どくとるマンボウ青春記」

どくとるマンボウ航海記などで知られる作家、北杜夫の青春時代を描いたエッセイ、自伝。北杜夫の著作を読むのは初めてだ。往年のベストセラー作家という認識だったが、読んでみると普遍的に面白い。斎藤茂吉の息子という血筋は流石のものだと思った。内容は…

映画 「ヨコハマ物語」

正月に知人とレンタルで「ヨコハマ物語」という映画を見た。2013年作品、主演は北乃きい。タイトルの通り横浜が舞台で、山下公園や元町、中華街といったいわゆる「横浜」が頻繁に登場する。サッカーの中澤も本人役で出演したり、横浜スタジアムも出てきたり…

母とクメール・ルージュ

数年来のことだが、私には逃げ癖がついている。 忍耐することのできるレベルがとても低くなってしまい、耐えることのすべてが苦手になってしまっている。情緒にも影響を及ぼしている。 とくに、人との関わりから逃げることにおいて顕著である。 さて、その私…

植芝理一の漫画が好きだった

私は90年代のサブカルチャーをリアルタイムで体験していないのだが、うっすらと、マジンガーZやゲッターロボ、それに特撮ヒーローといった70年代文化の再評価が行われていたことを記憶している。 今思えばなぜ快傑ズバットのパロディをすることをセンスがよ…

岸田劉生のヤバさをもっと知るべき

いつだったか、日本人の画家で、マチエールというものを本当に理解しているのは、歴史上で高橋由一、岸田劉生、佐伯祐三の三人しかいない、ということを聞いたことがあった。その岸田劉生を今日久々に見て、そのヤバさにうーんとうなってしまったのである。…

理由のない暴力への嫌悪

昨日、森見登美彦の短編集「きつねのはなし」の表題作を読んでいたのだが、理由のない暴力が描かれていて、頭が押しつぶされそうな感じがした。 私はもともと、理由のない暴力が苦手である。 ただただ私利のために、また自身が上に立とうとするがために、他…

遠藤周作 「侍」

沈黙、深い河を以前読んだが、三冊目に読む遠藤周作の小説である。 沈黙に続く長編、旅の物語である。 筋は、徳川幕府初期、キリシタン禁制が完全なものとなる直前に、メキシコ、イスパニアを経てローマへ渡り、そして帰ってきた日本人と、スペイン人宣教師…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹の、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年を読んだ。 きっかけは、私自身が鉄道の音を聞くとなぜか落ち着くという、あまり認めたくないものを持っていることに気づいたことだった。 それで、刊行時の評によれば主人公が鉄道マニアという本作を…

ノルウェイの森という大学ファンタジー

村上春樹の代表作として、ノルウェイの森を挙げる人は多いだろう。 だが同時に、これが代表作であることを認めない人間も多い。 よく言われるのは、村上春樹作品でノルウェイの森を初めて読むと、村上春樹自体を嫌いになることが多いということだ。 また、村…

子供の頃に好きだったヒーローから、大人になってからの嗜好が予想できるかもしれない

子供は格好良いものが好きだ。 ただ、好きになるヒーローは子供によって違う。 ある番組を好きな子供が、後番組にはそっぽをむくことは当たり前にある。 その理由には、ヒーローのデザインが大きく関わっていると思うのだ。 昨今の俗流文化論に乗っかって論…

女性の声に憧れていた頃

最近やさぐれていた。 そんな中で酒が飲みたくなり、地元のオフ会というものに参加してみたことがあった。 実家近くの飲み屋で男ばかり三人で飲み、その後カラオケに行くことになった。 ところがカラオケ館に入ったところで焦燥してしまった。 それは、歌う…

ランス・アームストロングは今でもサイクリストに影響を与え続けている

ランス・アームストロングという自転車選手がいた。 20代にして発病した癌を乗り越え、1999年から2005年にかけてツール・ド・フランス七連覇という前人未到の偉業を成し遂げた。 そしてドーピング疑惑によって全てのタイトルを剥奪される。 簡単に言うと、そ…

一番好きなアルバム The Zombies "Odessey and Oracle"

私が一番好きなアルバム、これからも一生聞きつづけるだろうと思うものの筆頭が、ゾンビーズの「オデッセイ アンド オラクル」だ。 澄み渡っている声とピアノの音色が、生きることの活力を与えてくれる。 そして、よいことがあったときも、悪いことがあった…

沢渡朔写真展 「少女アリス」 (ギャラリーFm)

ここ数日、出かけるついでに写真系のギャラリーに立ち寄っている。 今日も恵比寿近辺のいくつかを回ってきた。 主目的はギャラリーFm(エフマイナー)の沢渡朔写真展 「少女アリス」である。 今日が最終日だった。 http://galleryfm.com/alice/ 8歳の少女を…

中古の靴が来た。コンバースワンスターとスプリングコート

最近田舎で仕事をしていたのだが、コンバース一足で行ったら速攻でボロボロになってしまった。 東京に戻ったので靴を買うことにした。 靴はローテーションを組まなければならないと前々から分かってはいたのだが、スニーカーは二足体制で、しかも連続して履…

10代の頃に見た映画

10年ほど前の話。 私の通っていた高校では、昼休みや放課後に図書室で映画を視聴することができた。DVDの出始めの頃だったために、ソフトのほとんどはLDだったが、それなりに古典的名作を見ることができたと思う。 古典を踏まえたうえでこそ、その後の作品を…

ラブライブの楽曲を踊る若者を見て、ハルヒブームを思い出す

ラブライブがなぜ流行っているのか、いまひとつ分かっていなかった。 しかし偶然ニコニコ動画の「踊ってみた」動画を目にして、なんとなく理解できた気がする。 つまりこれは、昔のハルヒブームと同じだ。 曲はよく知らないが、動画を見ると、やっていること…

昭和60年代生まれの私がゼロ年代後半のアニメを回顧する

私が同時代のアニメを見ていたのは、2006年から2011年頃までだった。 しかし今はまったく見ていない。それは2011年くらいを境として、アニメについて自分の中で区切りがついてしまったからだと思う。 私がアニメを見ていた期間はハルヒから始まる一種のブー…

「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」

先日のことだが、映画「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」を見る機会があった。 1950年代のパリを舞台にした映画。 簡単に言えば、パリの裏町に育った少年が、ムスリムのおじさんと出会い導かれていくという話だろうか。 あらすじを記しても仕方ないの…

熊崎武良温という早稲田の哲学者

大学図書館で廃棄本を漁っていたら、その内の一冊に葉書が挟まっていた。 消印は昭和29年で、どうやら大学教員に卒論の指導をお願いしたものだったようだ。 宛名は熊崎武良温。 検索したところ哲学者であり、図書館を検索すると、蔵書の内に遺稿集があった。…

遠藤周作 『私にとって神とは』

遠藤周作のエッセイ、というよりもキリスト教解説の本。 カトリックであることが前面にある氏ならではの一冊だが、日本人にとってのキリスト教入門書として、読みやすさ、切り口ともに最高のものの一つだろう。 下手に通俗的ではなく、かといって儀礼的で白…

サン=テグジュペリ 「夜間飛行」

サン=テグジュペリの作品を読んだことがなかった。 「星の王子さま」も読んだことはない。 いま、新潮文庫で「夜間飛行」(南方郵便機を併録)を読もうとしたのだが、半分も読まないうちに辛くなり断念した。 それは、この小説が過酷だからである。 確かにリ…

僕は工具が使える

私は工具が使える。 といっても、ネジが締められるとか、ラジオペンチで針金が曲げられるとか、ノコギリで木が切れるとか、そういうレベルでの話だ。 (しかもノコギリを使うと1cmくらいのズレは平気で起こる) しかし、工具が使える、たとえばネジを締めら…

無印の商品名にツッコミを入れる

先日近所の無印で買い物をしていて、気になる商品があった。 その名も、「自由に使える布」 麻平織自由に使える布/ダークグレー 90×90cm | 無印良品ネットストア 麻平織自由に使える布/ダークグレー 90×90cm | 無印良品ネットストア 余計な飾…

朝日新聞社のおかげでオタクになってしまった話

実家の新聞はずっと朝日で、その流れで六年間、朝日小学生新聞というのを取っていた。 全部で8ページくらいの小学生向けのもので、忍たま乱太郎の原作「落第忍者乱太郎」も掲載されていた。 朝日小学生新聞:おすすめポイント | 受験・学習に〜朝日小学生新…

遠藤周作 『深い河』

完全に読書メモというか覚え書きの投稿ですが。 遠藤周作の『深い河』を読んだ。 他には以前『沈黙』を読んだだけで、そのときは単に歴史小説のように読んでいた気がする。 遠藤がカトリック作家というのは予備知識として知っていても、信仰とか神とか大きい…

涼宮ハルヒと「オカルト」の終わり

2006年にアニメになった「涼宮ハルヒの憂鬱」は、高校生~大学生の間で確かにブームになっていた。いつの間にか歴史上の作品になりつつあることが信じられないのだが、確かに時代を象徴する作品だったことに間違いはない。 その冒頭で、作品を象徴する台詞が…

平川恒太の作品について

平川恒太の黒い作品を初めて目にしたのは、VOCA展でのことだった。 今年、2014年の春に上野の森美術館を訪れた。公募展というのはあまり見ないのだが、VOCAだけは別格ということが言われていること、招待券を貰ったので、見に行ってみたのだ。 なるほど、VOC…

知識と知恵

ありがちなことだが生きることに行き詰まっている。 そのことについて今日思ったのは、知識と知恵の違いについてのことだ。 自身は知識偏重の人間だっただろう。 外部に開かれた人間性である知恵が相対的に不足していたことで、私自身を安定させることができ…

堀田善衛 『インドで考えたこと』 ――日本人の50年

『インドで考えたこと』のハイライトは、やはり、ペルシャ語を文化を源流に持つ国の人々が、口々に詩を詠むシーンだろう。文学者たちが詩を詠み競うのだが、同じ「アジア人」であるはずの著者は輪に入ることができないのだ。 堀田善衛 『インドで考えたこと…

戦後庶民のよりどころ 強さと弱さ

戦後、日本の貧困層の思想の受け皿、よりどころ、共同体となったのは、共産党と某新興宗教だという。 なるほど、街頭のポスターの数を見れば納得のできることだと思う。 さてこの二つの団体は、支持層が似通っているのに背後にある思想の面で、真っ向から対…

島田清次郎 『地上 地に潜むもの』 感想

風野春樹 『島田清次郎』の刊行がきっかけで、杉森久英 『天才と狂人の間』を読んでから二週間。 これを機に、島清の代表作である『地上 第一部 地に潜むもの』を読むことにした。 若くして精神病院で夭折した彼の作品は、既にパブリックドメインになってい…

杉森久英 「天才と狂人の間 島田清次郎の生涯」再読

杉森久英「天才と狂人の間 島田清次郎の生涯」。 天才と狂人の間―島田清次郎の生涯 (河出文庫) 作者: 杉森久英 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1994/02 メディア: 文庫 購入: 1人 この商品を含むブログ (6件) を見る 本作は1962年の直木賞を受賞した…

自己を客観視するための宗教

自分は典型的日本人ではない。そういう自意識で生きている。 それでも、生まれたときから東京近郊にずっと住み続けるくらいには日本人がうっすら共有する自意識に支配されているわけで、宗教についての考えについて、なんとなく流されていたのだった。 なく…

国立近代美術館 「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」

今日は竹橋の国立近代美術館に行ってきた。 実は企画展は全くノーマークで、適当に400円ちょっとで常設を見て癒されようという意図だったのだが、むしろ企画のあまりの濃厚さに、へとへとになるまで美術館で過ごしてしまったのだった。 ヤゲオ財団コレクショ…

スタバと吉野家はレーティングのためあえて障壁を設けている

「スタバの注文の仕方がわからない」 というネタは、すでに定番と化している。 (デイリーポータルの記事によれば、「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレート…