作品感想
メアリー・シェリー 『フランケンシュタイン』を図書館で借りて読んだ。光文社 古典新訳文庫 2010年刊の小林章夫訳。 大学生の頃に授業で読まされた以来である(当時はたしか新潮文庫で読んだ)。
図書館で借りた、アルフォンソ・リンギス 『わたしの声』という本を読んだ。 2021年、水声社、初版。原著は2007年。 著者は文化人類学をバックボーンにもつ哲学者とのこと。
世界には、普遍的に受け入れられる作品、創作物というものが存在する。 それらに共通する要素は「愛」である。
最近、急に精神が明瞭になったことで、かつて読もうと試みて挫折した書籍をどんどん通読できるようになった。 今回、はじめて挫折せずに通読することができたのは、夢野久作のドグラ・マグラである。 「読んだ人はいちどは狂気を抱くようになる」という煽り…
生活が終わっているのでプライムで映画を見ている。 1980年代映画のカテゴリから、ビーバップハイスクールの映画、5作目らしいものを見た。
最近現実逃避でプライムで古い映画を見ている。 古典が好きなので、プライムの1970年代映画カテゴリから未見の名作を見ている。
なんだか今年2018年は、見ないままズルズルときてしまった名作アニメを見返す年になっている気がするのだが、6月に見たlainに続いてまどマギを初見したのだった。(PrimeVideoで)
春の終わりに当時親しかった人に、この本を読むことを勧められて、やっと読むことができた一冊。 自分は、はっきりいってこの数年恋愛がすべての問題になっている。むしろ恋愛というよりも、愛着障害のような問題であるとも指摘されている。 そんな自分に対…
園子温の映画、愛のむきだし。 愛のむきだし 発売日: 2015/09/28 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 主人公が行う「盗撮」が物語で大きな役割を果たすわけだが、彼が使っているデジカメは、カメラファンには(一部で)知られているいわくつ…
いまさらですが、園子温の映画、「愛のむきだし」(2009年)を見ました。 愛のむきだし 発売日: 2015/09/28 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る カトリックの家庭に育った主人公、キリスト教系新興宗教が物語内で大きな影響を及ぼすなど、全…
阿部共美の『ちーちゃんはちょっと足りない』は、貧しさとその原因、そして貧しく暮らしている人について、一見して暗いわけではないが、リアリティあふれる描写をしている漫画だった。 発達障害、知的障害をリアリティを持って知りたいひとには、ぜひおすす…
薦められて手に取り、一気に読んだ。 <青春編>とあるとおり、著者の30代後半に至る、長い若い日を書いた一冊だった。 本書もまた、クリスチャンの著者の、信仰に至り、またその只中での思い描いたことなのだが、どうしてか、まず引き込まれたのは、冒頭の…
「マオ・レゾルビーダ」ブラジルで、「未解決の人間」という意味。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの旅路で、著者が教えてもらった言葉である。自分の家族、人生の悩みを解決していない人間を指すという。本書の全体を、この言葉が表していると思った。…
うちの母は芸術家崩れだった。 70~80年代に青春を過ごしたその人は、まさに大友克洋の洗礼を受けた世代だった。 その子供である自分は、幼少の頃から、「AKIRAはすごい」「AKIRAには感銘を受けた」と言われて育った。 (もしかすると、それは映画版のことだ…
堀田善衞という名前は以前から知っていたが、その著作を読んだのは最近になってからで、その本は「インドで考えたこと」だった。 「インド~」ではアジアの中にある異質な存在である日本、極東の辺境である日本に気付くことができたが、同じ作者の著作で次に…
キリスト教に触れるようになって、遠藤周作の著作をよく読むようになった。好きな作家の名前を問われたら、いまならば遠藤周作と村上春樹の二人を挙げることになるだろう、そのくらいに読んで味わっていると思える。文体もおそらくは、自分に合っているのだ…
ふと、本棚にあった本書を手に取ったら、二時間ほどで一気に読んでしまった。国会議員であった山本譲司の獄中記で、言わずと知れた本である。賞を取り、ドラマ化もされた。初めて読んだが、本書の影響で累犯障害者などの問題がそれなりに知られるようになっ…
ボキャブラ天国で一世を風靡した、ハウス加賀谷の自伝である。お笑いにはあまり興味がなく、10台の頃に笑う犬も見ていなかったし、細かすぎて伝わらないモノマネをネットで知ったのもかなり遅い自分でも、当時彼が残した強烈な印象は覚えている。負の思考と…
少し前まで写真学生だった。結局いまはほとんど写真を撮らなくなってしまったのだが、写真が生活の中心だった時期が確かにあった。いまどきシャッター速度と絞りとピントを手作業で合わせ、暗室の赤いセーフライトの下で印画紙に焼き付けていた。ただ、その…
中学生の頃まで、理系の道に進みたいと思っていた。具体的には工学部に進みたいと思っていて、自分は将来、技術者になるのだと考えていた。しかし高校に入った途端数学でつまづき、方針を変えて文学部に入ったのだった。だから自分は数学は高校の途中までし…
もしかすると、もっと早く、大学にいたころくらいに読むべき小説だったかもしれない、自分はこの恋愛小説を読むには年を取ってしまったのかもしれないが、辻仁成と江國香織の「冷静と情熱のあいだ」を読み終えた。大まかな筋は見聞きしていたのだが、実際に…
どくとるマンボウ航海記などで知られる作家、北杜夫の青春時代を描いたエッセイ、自伝。北杜夫の著作を読むのは初めてだ。往年のベストセラー作家という認識だったが、読んでみると普遍的に面白い。斎藤茂吉の息子という血筋は流石のものだと思った。内容は…
正月に知人とレンタルで「ヨコハマ物語」という映画を見た。2013年作品、主演は北乃きい。タイトルの通り横浜が舞台で、山下公園や元町、中華街といったいわゆる「横浜」が頻繁に登場する。サッカーの中澤も本人役で出演したり、横浜スタジアムも出てきたり…
私は90年代のサブカルチャーをリアルタイムで体験していないのだが、うっすらと、マジンガーZやゲッターロボ、それに特撮ヒーローといった70年代文化の再評価が行われていたことを記憶している。 今思えばなぜ快傑ズバットのパロディをすることをセンスがよ…
いつだったか、日本人の画家で、マチエールというものを本当に理解しているのは、歴史上で高橋由一、岸田劉生、佐伯祐三の三人しかいない、ということを聞いたことがあった。その岸田劉生を今日久々に見て、そのヤバさにうーんとうなってしまったのである。…
沈黙、深い河を以前読んだが、三冊目に読む遠藤周作の小説である。 沈黙に続く長編、旅の物語である。 筋は、徳川幕府初期、キリシタン禁制が完全なものとなる直前に、メキシコ、イスパニアを経てローマへ渡り、そして帰ってきた日本人と、スペイン人宣教師…
村上春樹の、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年を読んだ。 きっかけは、私自身が鉄道の音を聞くとなぜか落ち着くという、あまり認めたくないものを持っていることに気づいたことだった。 それで、刊行時の評によれば主人公が鉄道マニアという本作を…
村上春樹の代表作として、ノルウェイの森を挙げる人は多いだろう。 だが同時に、これが代表作であることを認めない人間も多い。 よく言われるのは、村上春樹作品でノルウェイの森を初めて読むと、村上春樹自体を嫌いになることが多いということだ。 また、村…
私が一番好きなアルバム、これからも一生聞きつづけるだろうと思うものの筆頭が、ゾンビーズの「オデッセイ アンド オラクル」だ。 澄み渡っている声とピアノの音色が、生きることの活力を与えてくれる。 そして、よいことがあったときも、悪いことがあった…
ここ数日、出かけるついでに写真系のギャラリーに立ち寄っている。 今日も恵比寿近辺のいくつかを回ってきた。 主目的はギャラリーFm(エフマイナー)の沢渡朔写真展 「少女アリス」である。 今日が最終日だった。 http://galleryfm.com/alice/ 8歳の少女を…